結納は日本の伝統的な婚約の儀式ですが、昔と今の結婚観の違いなどによって時代に合わせて変化してきました。
今では主に、正式結納、略式結納、両家の顔合わせ食事会という3つの方法に大きく分けられます。
正式結納は仲人が使者となり新郎新婦の家を行き来して結納品を納めるというスタイル、今はほとんど行われていないようで、現在は略式結納か両家の顔合わせ食事会が主流のようです。
顔合わせ食事会は最もカジュアルで自由度が高く、新郎新婦や両家のカラーが出せる会なので、無理に形式ばる必要はありません。ですが略式結納は、正式結納ほど手間はかからないものの、結納と名前がついている以上、ある程度形式ばった儀式になります。
そこで今回は、略式結納を行うにあたっての準備物や当日の流れなどをお伝えしていきます。
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結納は略式でも必ず準備するべき!目録とその書き方!
結納を略式で行うにあたって、必ず準備しておくべきものの中に、目録があります。目録とは結納の時に、男性側から女性側へ贈る結納品の一覧表のことで、納品書のような役割の書類です。結納品を贈る男性側が準備します。結納品以外にも、婚約指輪を目録に載せたりする場合もあります。
それでは、目録は具体的にどのように書いたらいいのでしょうか。
「目録」というタイトル、結納品一覧とそれぞれの個数、これらの品をお受け取りくださいという意味の文言、日付、贈る側の署名、宛先(受け取る側の名前)という構成になります。
具体的なレイアウトについては、次の画像を参考にしてみてください。
結納品一覧は、上の画像のように結納品すべてを具体的に書いていきます。
画像の例では、結納金、婚約指輪、扇子を結納品として送っています。扇子は末広がりで縁起が良いので、結納品としてよく贈られるものです。
結納品の品目数は、分けられない数ということで奇数にしましょう。略式結納の場合は5品か7品にする人が多いようですが、地域差もあるので、両家で話し合って決めるのが一番でしょう。
結納金のことも地域によって呼び名が異なり、「御帯料」のほかに「小袖料」や「帯地料」、「金宝包」と言ったりもするようです。また、金額は具体的に書かず「壱封」と書くのが一般的です。
次に、お受け取りくださいという意味の文言は、画像の例のように「右之品銭久敷芽出度御受納下さい」と書いたり、ほかには「右、幾久敷御目出度御納下さい」や「右之通幾久敷芽出度御受納下されたく候」、「右幾久敷御目出度御受納賜度候也」などと書いたりします。
そして日付は、具体的に日にちまで書いてもいいですし、「平成○○年○○月吉日」と書いたりもします。
贈る側の署名と宛先は、結婚する本人の名前を書くか、父親の名前、もしくは「○○家」と家名を書いたりすることもあり、これも地域などによって違ってきます。両家で話し合うのがいいでしょう。
最後に目録は、奉書紙という白い和紙に毛筆で縦書き、というのが正式なようです。
奉書紙には表裏があります。つるっとした面が表、ざらっとした面が裏ですが、必ずしも表面を使用しなければいけないわけではありません。
最近では和紙の風合いを楽しむためにあえて裏面のざらっとした面を使うことも多いようです。ただ、毛筆の場合は、ざらっとした裏面だと少しにじんでしまうかもしれないので、つるっとした表面の方が書きやすいと思います。
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どうすすめたら良いの?結納の略式の場合の進行方法!
略式結納では、仲人を立てる場合と立てない場合があります。最近では仲人を立てないスタイルが最も多く、その場合は当日の進行役は、男性側の父親が務めるのが一般的なようです。そこでここでは、最近最も多いスタイルである、ホテルで行う仲人なしの略式結納で、男性側の父親が進行役をする場合の進行方法について具体的に見ていくことにします。
結納品の飾り付けは、ホテルと事前に相談が必要ですが、ホテル側がすでに行ってくれる場合もあるようです。結納品の飾り付けが終わったら両家とも着席します。座る場所は、基本的には男性側が上座、女性側が下座となります。
両家が着席したら、進行役である男性側の父親が、はじまりの挨拶を述べます。そして、男性側の父親が女性側の父親に目録を渡し、女性側の父親から母親、女性本人という順番で回覧したところで、女性側の父親がお礼の口上を述べます。ここで女性側から男性側へ受書(受領書のようなもの)を渡す場合もありますが、略式結納の時には受書は省略することも多いようです。
次に、女性側から男性側へ結納返しがある場合には、女性側の父親が男性側の父親へ目録を渡し、その後同様の流れで進めます。最後に、男性側の父親が締めの挨拶をして無事終了です。
はじまりの挨拶、締めの挨拶に加えて、女性側の父親が述べるお礼の口上など、結納ではある程度決まりきった定型文句が口上としてあります。
こちらのページに色々な口上が載っていますので、状況などに合わせてしっくりくるものを選んでみてくださいね。
また、口上は丸暗記しなければいけないものでもありません。当日は緊張もするでしょうし、メモ用紙などにあらかじめ述べるべき口上を書いておき、それを読みながらの進行でも全く問題ありません。
まとめ
略式とは言っても結納は婚約を祝うための儀式です。滞りなく進行できるよう、やはり事前に準備は必要ですね。普段の会話では使いなれない言葉に戸惑う口上ですが、メモを読みながらで全く問題ないので、ゆっくり落ち着いて述べましょう。
儀式的にはなりますが、何といっても結納の一番の目的は両家の親睦を深めること。なめらかな進行よりも和やかな雰囲気が大事です。当日落ち着いて進行できるようしっかり準備をして、ぜひ両家らしい素敵な結納にしてくださいね。
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