皆さんは縁起物はお好きでしょうか?
招き猫やだるま、フクロウの置物など縁起物はたくさんありますが、商店街に行くとたぬきの置物を目にすることはありませんか?
編み笠を被って少し首をかしげ、右手に徳利、左手に大福帳を持った可愛い置物ですよね。
「たぬき=他抜き」ということで、たぬきが「他を抜く」に通じることから商売繁盛と洒落て店の軒先に置かれることが多いのです。
実はあのたぬきは信楽焼(しがらきやき)の1つです。
信楽焼とは、滋賀県甲賀市信楽町を中心に作られる陶器で、日本六古窯のひとつに数えられます。1976年(昭和51年)に国から伝統的工芸品の指定を受けています。
信楽の土は、耐火性に富み、可塑性とともに腰が強い特徴があり、大物づくりだけでなく、小物づくりにも向いており、多種多様のバラエティーに富んだ信楽焼が開発されています。
そんな信楽焼の中でも特に有名なのが、あのたぬきの置物になるのですが、実は意外と歴史は浅いとご存知でしょうか?
今回は信楽焼たぬきが生まれた理由、体の部位別の意味、置き場所などについて詳しく見ていきましょう。
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信楽焼のたぬきの由来はとある陶芸家!体の各部位にも意味が
信楽のたぬきが生まれたのは、明治時代になります。陶芸家の藤原銕造(ふじわらてつぞう)が作ったものが最初と言われています。
1951年(昭和26年)、昭和天皇が信楽町行幸の際、たくさんの信楽焼たぬきに日の丸の小旗を持たせ沿道に設置しました。それを見た昭和天皇が感動し、歌を詠んだことが新聞で報道され、全国に知られるようになったようです。
今ではすっかり商売繁盛の置物として定着しておりますが、あのたぬきの意味はそれだけではありません。体の各部位や持っている物にもそれぞれ意味があるのです。
全部で8つあるため「八相縁起」と呼ばれます。
それぞれ見ていきましょう。
- 笠
悪事災難から身を守ってくれますように - 大きな目
大きな目でいつでも周りを見渡し、気を配り、正しい判断ができますように - 笑顔
お互いに愛想よく - 徳利
人徳を身につける - 通帳
信用が第一 - 太い尻尾
何事もしっかりした終わりを迎えられますように - 金袋
金運を身に付ける
- 大きなお腹
冷静さと大胆さを兼ね備える
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商売繁盛の願いが込められた信楽焼のたぬき…ふさわしい置き場所は?
いろいろなご利益のある信楽焼のたぬきですが、どこに置くのが正しいのでしょうか?
日本料理のお店などでは、玄関外に大きなたぬきの置物を置いている場合が多いですね。
「商売繁盛を祈願して、玄関先でいらしたお客様を笑顔で迎える」と考えるとやはり玄関の外が1番いいと思います。
では普通の自宅ではどうでしょうか?
自宅の場合も玄関の外が良いですが、人目が気になる方もいるでしょうし、マンションやアパートだと置くのが難しい場合があります。
そういった場合は玄関の中でもいいですし、小さいものなら靴箱の上などに置いておくのもいいでしょう。
玄関に置くスペースがないという場合は、家族みんながあつまるリビングに置くのもお勧めです。
もし自宅に庭がある場合は、お花が沢山咲いている庭先に置いてあげるのもいいと思います。
まとめ
たぬきの置物は商売繁盛だけでなくいろいろな意味があるんですね。
可愛らしいたぬきの置物ですが、初期の頃は野性的で本物に近い見た目だったようです。時代とともにだんだんと愛らしいスタイルに改良されていき、今の形になりました。
あなたの家にも1匹置いてみてはいかがでしょうか?
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